2013年11月08日

レーザーの痛み

今年に入ってから下唇の正中近くに色素沈着を見つけました。
最初は薄かったのですが日を追う毎に徐々に色合いが濃くなりまして、
これはもう立派なメラニン色素沈着という成長を遂げました。
元々子供の頃からソバカスがありますし、
旅先での日焼けが祟ったのか全身にほくろが増えてきているここ数年。
それが唇にまで出るとなると審美的に問題があります。
目立つのです。
色素沈着はレーザー照射で薄くなると聞きます。
ならばこの唇の黒いブツを取ってもらおうではありませんか。
レーザーを当てる前に表面麻酔をしてレーザーを照射します。
1発目。
照射は針を深部まで刺されたような痛みでした。
レーザー脱毛の様に一瞬で終わるものではなく、
2秒くらいのじっくり照射です。
我慢できないわけではないけれど、想像以上の疼痛であることを訴えました。
するとあと2、3回くらいで照射は終わるがどうするかと問われ、
それを我慢すればシミのない唇が手に入るというのなら耐える方を選択しました。
2発目。
3発目。
苦痛に顔を歪め、唸り声を出し、
終わった時には全身には冷や汗が、目には涙がたまっていました。
タトゥーを入れる時はこんな感じの痛みが延々と続くのではないかと、
少しだけ味わえた気がします。
施術直後は火傷のような状態ですが、数日でかさぶたになり
気がついたら1年前の唇に戻っていました。
わかりやすいように施術前、施術後の比較画像をどうぞ。
※ややグロです。閲覧注意。




stain01.jpg
わかりやすい画像がこんなのしかなかったの。意図的ではない
stain02.jpg
綺麗な唇
いかがでしょうか。
身体の別部位の脱毛をしたことがありますが、
あれは大した痛みではありませんでした。
よく使われる表現として『輪ゴムではじかれたような痛み』とありますが、
所詮その程度です。スパンキング以下です。
しかしこの唇は針でぶすっと刺される痛みでした。
それを乗り越えて手に入れた唇には
たっぷりとリップクリームを塗ってあげることにしましょう。

2013年06月17日

肉欲を満たすSAjiYA

友人に誘われてビストロSAjiYAに行ってまいりました。
代々木公園駅徒歩10分くらいでしょうか。
遊歩道に面してあるお店です。
渋谷からも歩いて行けるのですが、この日は降りたことのない駅から歩いてみようと
代々木公園駅からてくてくと歩いてみました。
初めてこの付近を歩きましたが、オサレなお店が多いようです。
オープンテラスのカフェやビストロがあちらこちらにあります。
この辺りで仕事をしている友人曰く、素敵なお店の数は多いそうです。
歩いている方々もうちの界隈とは全然違ってオサレ感が漂っています。
ファッションにこだわりがありそうなクリエイター系とでも申しましょうか。
こういう土壌が様々なお店を展開させる要因なのかもしれません。
セルフで塗ったような白い壁に木の家具。
お店の方はナチュラルカラーの服です。
華美な装飾はさくすっきりとした印象です。
オープンキッチンで広々として見えます。
トイレを隔てた奥には個室っぽくなるテーブル席もありました。
壁にある黒板メニューが良く見える席に座りました。
さて、何を食べようかしら。
メニューはどれも肉絡みでした。
選ぶのが迷うくらいの肉メニューでして、
食べ尽くしたい衝動に駆られてあれこれと注文しようとすると、
一品の量が2,3人前になるので前菜とメインにしてはどうかと提案されました。
量の多い肉料理とは期待が高まります。
ワインは注文した料理に合わせて3本持ってきてもらい、
微発泡のものを選びました。
では料理画像をどうそ。

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この分厚さをご覧ください
まずはパテ・ド・カンパーニュ。
肉前菜ときたらこれかリエット、レバーパテでしょう。
でもまさかこんな分厚いパテが立ってやってくるとは。
初っ端から度肝を抜かれました。
これは立ちパテというジャンルに名乗りを上げたと思います。
断面のほんのりピンク色を眺めながら頬張りました。
「ああ、いま肉を食べているのね」という充実感で口が満たされました。
幸せです。
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パンもうまうま
パンは別料金です。
VIRONのパンのようです。
そりゃ美味しいわけです。
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皮付き豚スネ肉のサラダ
肉もいいけど野菜もね!という感じで、
サラダという文字の書かれた料理を注文したらこれが来ました。
『皮付き豚スネ肉盛り 葉っぱ添え』
という名前の方が表現としては妥当なのではと思わせるくらいのこの盛り具合。
このスネ肉の柔らかいこと。
皮のゼラチンのプルプルなこと。
もうこれがメインで出されても何の疑問も持ちません。
これでかなり満腹気味になってしまいました。
それなのにこれはサラダですから前菜扱いでして、
メインもしっかり頼んでいたのでした。
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本命・ホロホロ鳥のコンフィ
来ました。
本日のメインのコンフィ。
足2本分です。
ポテトのローストの上にドーンと乗っています。
皿の半分はクレソンで、この時はこれがありがたかったです。
皿全部がコンフィだったら死んでました。
ホロホロ鳥は鶏肉や鴨肉に比べてあっさりしているので、
コンフィにするとくどくなりません。
もしかしたらコンフィに一番合う鳥類なのではと勝手に思いましたが、
鳥類とコンフィを語れるほど食べておりませんので多分違うと思います。
コンフィは当然美味しゅうございました。
友人はまるで空腹時の一皿目のような勢いで骨にしてみせました。
しばし無言の時が流れていたことは言うまでもありません。
わたくしが気に入ったのは付け合せのローストポテトです。
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付け合せの芋が美味すぎ!
紫と赤い芋が付け合せでして、これがすこぶる美味しいのです。
ぱさつきが全くなく、ねっとりとして味が濃いのです。
たしかシャドークイーンとノーザンルビーという品種と言ってたような気がします。
間違っていたらすみません。
だってこの時点でワインを1本空けてしまったんですもの。
身も心も腹も満たされた夜となりました。
あまりのボリュームにデザートまで行けませんでしたが、
次回の来訪時には是非。
これだけ肉々しいビストロですから、当然肉欲女子会の候補店となりました。

2013年06月12日

直近シンクロ現象・其の弐

雑誌を買い続けて困ることは、場所を取ることです。
ジャンプ並みの厚さはないにせよ、薄い雑誌を毎月買っていることが何年も続くと
じわりじわりと本棚で幅をきかせていきます。
えいやと捨ててしまえばいいのでしょうけど、
dancyuとなると、取っておきたいレシピがあるわけでして、
気軽に捨てられません。
しかしながら、本1冊につき保存しておきたいページは10数ページほど。
お目当てのページを探すために、
「あのレシピは何月号だっけ?」
「トマトがあるからトマトを使った特集号はどこかしら?」
このように本棚から引っ張り出しては、この号じゃないあの号じゃないと
とっかえひっかえ探す時間ばかり過ぎていくこともあります。
この場所を取るという物理的な問題と、
必要なものが見つかりにくいという情報処理の問題を
何とか解決したいと思いまして、
自炊をしてタブレットにぶち込むという結論に至りました。
自炊をすれば、溜め込んだダンチュウを処分して本棚ががっぽり空きます。
そして取り込んだファイルに料理タグ付けをすれば検索も簡単になりますし、
ファイルも整理しやすいですし。
これでレシピ探しに困ることはなくなるはずです。
いいことづくめです。
調べてみますと、裁断機、Scan snapはレンタルがありました。
ダンチュウ以外は自炊する予定はありませんので、
1週間レンタルにすることにします。
タブレットはi Pad miniNexus7の購入を予定してみます。
と、ここまで決まっていて後は買うだけのところ、
イトゥルのユリキチさんと会いました。
するとユリキチさんも自炊を考えているとのこと。
しかも同じdancyuの自炊を。
なんでも1996年のダンチュウがあるらしく、
おそらく冊数もわたくしを上回ると思われます。
そしてすでにi Pad miniは持っているそうですが、
スキャナーはレンタルをチェックしていると、そこまで同じになるかと思った次第です。
ちなみにユリキチさんはその時、わたくしの欲しかった築地かごバッグを持っていました。


これで買い物したいんや
欲しい。

2013年04月24日

もったいないを形にする仕事

見切り品。
何て魅力的な言葉でしょうか。
まだ食べられるけどのに賞味期限が近いからって
底値で売る心意気ごと買っちゃいますよ。
今回はそんな見切り品、訳ありにまつわるお話です。
【ターブルOGINO】

予約の取れないフレンチと評判のオギノの二号店です。
こちらは本店とは違い、イートイン&テイクアウト可能なカジュアルスタイルのお店です。
お店のコンセプトは規格外や訳ありの食材を生かして、
生産者と消費者を繋いでいこうというものです。
おそらく野菜などは形がいびつで売れないとか色々あるのでしょうね。
魚も大きさが違うと値がつかないから箱売りとかありますしね。
そういうものを仕入れて調理し販売しているようです。
1階が販売、テイクアウトスペース、2階がカフェスペースになっています。
店内にはキッシュ、マフィン、ローストチキンなどの美味しそうなものが
所狭しと並べられています。
イートインでどれを食べようか迷っていると、
店員さんが注文方法を教えてくれました。
問診表のようになったメニュー&注文リストにチェックを入れて会計すると、
2階まで運んでくれるのだそうです。
お値段は2品で¥890、3品で¥1,150、4品で¥1,350。
これにフォカッチャか白米か玄米と、ドリンク付きになります。
このお値段でフレンチが楽しめるならお得ということに他なりません。
選んだのはコチラ。

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オギノ名物パテ・ド・カンパーニュとラタトゥイユ
網脂ではない脂にきれいに包まれたパテ。
しっとりなめらかです。
もっと塊がたくさん入ったごつごつしたイメージでしたが、
上品な味わいでした。
大変美味しゅうございます。
ラタトゥイユはしっかりひやしてあって、
前菜にぴったりです。
欲張らずに2品+フォカッチャにしておけばよかったとやや後悔しました。
table-ogino02.jpg
鹿肉のカレーと玄米
カレーの文字を見ると即頼んでしまうこの反射神経の良さが
ここでも発揮されました。
しなくていいのに。
鹿肉のカレーの評価よりも、玄米の美味しさに驚きました。
もっちもちです。もっちもち。
噛み締めるたび口の中でプチプチ言います。
何これ超美味しい。今日から玄米にする。
そう決意させるくらい揺さぶられた我が家の米びつには、
先週送られたばかりの白米10kgがぎっしりだったりします。
いや、ここすごいですよ。
普段の食卓を少し彩りたい時や、ちょっとしたパーティーのお持たせ、
訪問時のお土産に使い勝手が非常に良いと思います。
お値段も手の届く範囲なところが嬉しいです。
近所にこういう店があったらなーと思わせるお店でした。
ご馳走様でした。
【ルピシア・ボンマルシェ】
たまたま通りがかって覗いたら、全ての商品が安売りしていたこちらのお店は、
お茶で有名なルピシアが母体でした。
こちらも賞味期限が近いものや、
品質に問題はないけど訳ありの商品を販売しています。
ターブルオギノと同じようなコンセプトです。
ルピシアのお茶以外にも輸入食材店で見かけるような食材がたくさん置いてあります。
でもどれも20%~70%OFFくらいになっています。
完熟マンゴー烏龍とシェラザードを買いました。
ルピシアが安く買えるのはありがたことです。
2店に共通するのは『もったいない』という感覚です。
まだ食べられる、使える食材をこのような形で利用し還元することは、
年間数万トンも捨てられる食材を減らし、
生産者と消費者、加工業者のバランスをより良くするためのものだと
見切り品が大好物のわたくしは確信しました。

2012年12月25日

干し大根の手触り

沢庵を漬けてみようと思い立ちました。
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手始めに2本だけ
実家では冬になりますと切り干し大根入りの松前漬けを作るために、
軒先に干しておりました。
北国ではよく見る光景だと思いますが、
年々そういう手間暇かけた作業を家庭ですることは減っているのでしょう。
今では年寄りのいる家でないとなかなか見ません。
昔ながらの保存と発酵の性質を併せ持った伝統食を絶やさぬよう
細々とですがこういうことを続けていきたいと思うのです。
大根を干して10日経ちました。
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切り干し大根の香りがたまらん
いい具合に干しあがりました。
ぐにっと半分に曲がるくらいが良いとあったので、
大根を曲げようと手に取ってみました。
冬の外気にさらされて冷たくなった感触。
水分が減り皺だらけになった皮。
表面は乾いていても中心にはまだ水を蓄えている重み。
この感触はどこか覚えがありました。
死んだ祖母の腕です。
握りしめてもはりのなくなった肉。
乾ききって老いた薄い皮膚。
細かく刻まれた皺。
二度と上がらない体温。
2ヵ月後にはこの萎びた大根は、
発酵という人類の恵みによって別のものに生まれ変わります。
そしていつかはわたくしも干し大根の手触りになる日がやって来るのです。

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