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2005年10月11日

イラン大使館

イラン大使館で映画と音楽を聴くイベントに行ってまいりました。
海外で大使館を訪れることは何十回とありましたが、
日本で大使館を訪れることは初めてです。
結構ドキドキします。
パスポートはいるのかな、イランだからスカーフ被らなきゃかな、
赤子同伴で大丈夫かな、色々思い巡らせましたが全て無問題でした。
大使館へ行くまでの道で、赤子が号泣しました。
虐待されてるような悲鳴を上げています。
すれ違う人々がみんな見ていきます。
「ギャーーーーーーーーーーー!!!!!」
これを翻訳こんにゃくで訳すと、
「ベビーカー嫌なんだよー!さっさと抱っこしろ!このやろー!」
というわけで抱っこしました。
抱っこしているうちに寝てしまいました。
さてさて大使館へ着きました。
すんごいモダンな建物です。
ガラス張りに大理石の床、ドアは木製。
コーランのコの字も見えないモダニズム。
素敵です。
なんだか他の大使館も見てみたくなりました。
この南麻布は大使館が多いので、
今度大使館巡りをして旅気分を味わってみようと思います。
今回の催し物プログラムは、最初にイランの伝統弦楽器タールの演奏と、
その後イラン映画の上映。
そして最後にイランらしく、お茶とお菓子が振舞われます。
タールの演奏は、ゆったりとした音楽で赤子もスヤスヤ寝ておりました。
演奏途中で、夫と友人が到着して目を覚ましました。
結構ご機嫌です。大人しいです。
このまま大人しくしてくれれば映画も見れそうです。
映画が始まりました。
1分後。
赤子は叫び始めました。
だめでした。
すぐに外に出ました。
地下一階にあるホールはだだっ広く、
真ん中に革張りのソファー。
サイドにはガラス張りの小部屋が3つ。
中が丸見えです。
ペルシャ絨毯が敷いてあります。
床はもちろん大理石。壁も大理石。
床でうどん打てます。
そばもいけます。
熱に弱いパイ生地作りには最適です。
パン生地こねるのに、30×50cmでいいので欲しいです。
叫ぶ赤子を黙らせるために、最強のアイテムを使うことにしました。
乳やりです。
いつものようにマントを装備して、
ソファーでふんぞり返って乳をやりたいところですが、
いかんせん、ここはイラン大使館。
本国では女性の肌の露出は禁忌とされています。
髪の毛も出せません。
イランを旅していた時は、頭はスカーフを被って頭髪と首を隠し、
上着は体の線がわからないゆったりしたもの、
お尻のラインが見えないように膝くらいまで隠し、
さらに足首も隠すためにジーンズとロングスカートを重ね着してました。
そんな国の大使館のホールで、
乳やりなんてもってのほかです。
追い出されます。
今後一切ビザ発給してもらえません。
入国拒否されます。
それは困るので、トイレで授乳することにしました。
トイレへ入って硬直しました。
明るい照明。
曇り一つない鏡。
ピカピカの和式便器。
ええ。和式です。
イランでは和式が一般的です。
そして青林檎の香りがする空間。
デパートのトイレより綺麗かもしれません。
そのピッカピカの鏡の前に、
荷物を置く用のガラス棚がありました。
高さは、わたくしの胸より下くらいです。
ここに赤子を置いて授乳することにしました。
ちょうど良い高さで申し分ありません。
「もしかして授乳用に作ったのでは?」
と勘違いしそうなくらいぴったりでした。
乳を飲み終えてご満悦の赤子が次に注目したものは、
目の前の巨大な鏡です。
家には顔が映るくらいの小さい鏡しかありませんが、
ここの鏡は100×120cmはゆうにある大きなものです。
赤子もわたくしも映ります。
自分が映っている姿に手を伸ばし、
声を出して喜んでおります。
ここでしばらく遊んで時間を潰しておりました。
この後、一旦映画に戻っては見たもののすぐに叫び始めたので、
結局最後までホールにいました。
夫に感想を聞きました。
「寝てた」
眠いくらいつまらない映画なら、
途中わたくしと替わって赤子を見てくれればいいものを。
がっくし。
ジュースとお茶菓子を食べましたが、
お菓子はイランらしい激甘のお菓子でした。
バラ風味のヌガーと砂糖がけのゼリーとかです。
わたくしには無理でした。
赤子が眠くてグズッてきたので、
友人と話すのもそこそこに帰ることにしました。
帰りの電車でも、眠くて大声で泣いていた赤子。
夜の外出はちょっと可哀相でした。
ごめんね。

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