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2011年01月04日

何も言わないで

わたくしがサンタクロースが存在しないことを知ったのは
小学校低学年だったでしょうか。
幼稚園の頃、夜中に目が覚めたら祖母が布団の傍で何かしていて、
翌朝プレゼントが置いてあったことがありました。
「昨日おばあちゃんいたよね?」
質問に白を切る祖母から言質を取る技術は、
わたくしにはまだ備わっておりませんでした。
クリスマス前に息子はサンタクロースに手紙を書きました。
自分の欲しい物を一生懸命書いていました。
「いい子にしていたらサンタさんがくれるよ」
と魔法の言葉が効いたのか、25日の朝には息子の笑顔がありました。
どこへ出かけるにもそのプレゼントを持ち歩いては
サンタクロースから貰った話をする息子に
「まだサンタさん信じてるの?」
と言う大人が立て続けに出現しました。
幸い息子の耳には入っていないようで胸を撫で下ろしていますが、
「いい子にしていたからサンタさんから貰った。
 サンタさんに手紙が届いた」
と信じている息子に何故わざわざそれを言うのでしょうか。
いつかはサンタクロースの正体がバレる日が来ます。
しかしそれは今ではありません。
ましてや他人の忠告によって知らせるものではないと思っています。
何故ならクリスマスプレゼントは家族の妄想イベントであって、
他人が入り込むものではないからです。
自分の思っていることを言葉にすることが苦手な息子には、
手紙を書くという作業は相当大変だったと思います。
たった2,3行の文章に何十分もかかるくらいでしたから。
それでも頑張って「サンタさんへ」と書きました。
小学校に入り友達と過ごす時間が多くなれば、
自然と判明することとは思いますが、
今のところ子供の夢を壊されるのは御免蒙りたいと思います。