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2004年05月21日

ホルマリン漬け

話は飛びまして、学生時代のお話です。
ホワワワワ~ンは飽きたのでもう止めます。
学校の講義で解剖学がありました。
先生は心の底から「解剖大好き!」という嬉しさが滲み出てる方で、
授業は一人でぺらぺらと専門用語を使いながら、
骨や筋肉について説明していました。
おそらく人体の構造にはまり過ぎて、
生身の対人間関係においてはコミュニケーション下手という
典型的な研究者体質だったような気がします。
さていつものように講義を聞いていたら、
「えー。今度の○曜日、講義後に人体解剖の講義をしますので、
 参加したい人は来て下さい」
「えー!!!解剖???いやー!」
教室はどよめきました。
女子ばかりのクラスですから、みんな動揺しています。
もちろん私はそれを聞いてすぐに参加を表明しましたが、
解剖当日には怖いだのなんだの言ってた子達も参加しており、
結局クラスの大半が参加していました。
解剖室は地下にありました。
学部の3年生は人体解剖が解剖学の必修で、
何班かに分かれて人体解剖を行います。
それが終わった教室をそのまま使い、私達の臨時の解剖講義が始まりました。
部屋はホルマリンの匂いが充満しており、
この匂いだけでまいってる人もいます。
遺体はすでにホルマリンに漬かっているため、黄色く変色しています。
外形は人間の形ですが、
すでに頭や内臓は解剖が始まっており、切られています。
先生はいつもよりも嬉しそうに実習を開始しました。
私も気合を入れて一番前で鑑賞することにしました。
「それではまずこちらの方から」
と言って内臓を触る先生の手は素手でした。
手袋をしてません。
え?ホルマリンで劇薬だよね?触って大丈夫なのか??
てゆーかすっげー幸せそうにしゃべってないか?
信じられません。
絶対おかしいです。
素手で腹部を開き、内臓を取り出して意気揚々と説明する様は、
目の前の遺体よりもグロテスクそのものでした。
あまりにもその印象が強烈だったため、
残念ながら解剖の内容はほとんど覚えていません。