2007年04月04日
底なし民間療法
とある共同体のお話です。
その共同体の目指す方向性としては、
『酢は体に良いから生活に取り入れましょう』という至極健全なものなのですが、
酢で歯を磨くということを推奨しているのは、明らかに問題がありました。
と申しますのは、酸蝕症になる可能性が高いからです。
簡単に説明しますと、
虫歯というものはストレプトコッカス・ミュータンスという菌が
糖分から酸を生成して歯を溶かすことです。
これを脱灰(だっかい)といいます。
歯はカルシウムからなる成分でできています。
そこに酸性の酢で歯磨きをしたら、
歯がボロボロになってしまいます。
これが酸蝕症です。
ある題目には、「酢で磨いたら泡立って気持ちが良かった」
と末恐ろしいことが書いてありました。
自ら脱灰させるなんて。
話が少し逸れますが、
嘔吐した時、胃酸も強酸性ですから歯には良くありません。
繰り返し嘔吐する傾向にある場合、歯にも影響が出てきます。
ですから嘔吐した後は必ず歯を磨きましょう。
話は戻ります。
この共同体は酢磨き以外にも、
・酢でばい菌が死ぬから口の中がきれいになる
・アルコールと酢でうがいしてスッキリ!歯ぐきのピンク度が上がった
・歯石はドライバーで取れる
というような歯科医療従事者が見たら卒倒しそうなことが書かれておりました。
というわけでわたくしが間違いを指摘してみました。
・そのままだと酸蝕症になりますよ
・自分で歯石取りは危険です。ましてやドライバーでとは如何なものか
その結果、共同体名は変更され非公開になり、
管理者の承認がないと掲示板が見られないようになりました。
そしてわたくしは共同体構成員を削除されました。
管理者へのアクセスも拒否されました。
共同体の説明には、
「酢で磨くと歯を溶かすかもというご指摘があったのでかなり薄めてください」
「かも」って。
まだ食い下がってました。
それよりも普通にブラッシングしてフッ素塗った方がよっぽど効果的なんですが。
トップ画面には無水エタノールの画像があり、
アルコールで歯磨きを推奨しています。
無水エタノールは粘膜には禁忌なんですがね。
そのままだと殺菌作用ないし。
このように間違いを指摘されたことで、
閉鎖的な民間療法の共同体に成り果てましたが、
歯が脆く崩れるようになってからでは気づくのが遅過ぎるというのに。