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2011年12月21日

入院顛末記

アルゼンチン産の赤海老が1匹100円で売られていました。
5匹だと398円でした。
茹でる前から赤いその海老は大変大きく立派でした。
買いでしょ。これは買いでしょ。
ベッドに佐々木希が裸で寝ていたら行くでしょ。
タモリが夕飯を作ってくれたら食べるでしょ。
それと同じです。
5匹の海老はこの日の夕食になりました。
パエーリャです。

food289.jpg
旨そうな面してとんでもねえ野郎だな
ムール貝もパクチーもあったのでパエーリャにしました。
ムール貝は白ワインで蒸して、海老はにんにくとオリーブオイルで炒めて、
海の幸のエキスがたっぷり染み込んだパエーリャはサフランの香り。
一口頬張ればバルセロナで食べたパエーリャの味がしました。
これは過去最高の出来でした。
海老アレルギーの心配があるため
念のため海老以外をガツガツ食べました。
2時間後。
何だか胃が痛いです。
3時間後。
身体の局所が痒くなってきました。
そして下痢も始まりました。
これは久しく出ていなかった海老アレルギーの症状に違いありません。
迂闊でした。
ここ3年くらいトムヤムクンを食べてもブイヤベースを食べても無症状だったので油断していました。
加えて非常薬のアレロックも切れているのです。
これはまずい。
そうこうしているうちに全身が赤味のまだらになってきました。
痒みはありますが、掻くとぼこぼこに腫れたことがありましたので、
我慢します。
jinmasin06.jpg
顔のT字ラインが真っ赤
この頃はまだPCをいじる元気もありました。
赤味と腫れがちょっとひどくなってきたので夫に見せたら、
音楽を聴くためのイヤホンを外して「どうしたんだ!」と声をかけられました。
イヤホンを外してまでの会話は珍しいです。
相当ひどい形相だったのでしょう。
そして全身痒いけど寝て起きたら治ってるかもなどと淡い期待を抱きつつ
布団に入りました。
就寝して1時間後。
息苦しくて目が覚めました。
顔と手が腫れ上がりすんごいことになっていました。
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赤味が引いたように見えても腫れが増大
jinmasin05.jpg
7号サイズの指が力士化
これはまずいです。
息が苦しくなってきたということは気管が狭窄しつつあるのではないか。
近くの救急外来へ駆け込むことにしました。
夫を起こし顔と手を見せ、病院へ行くからタクシーを呼んでほしいと頼んだら、
タクシーを手配してまた寝ました。
えーと、手がパンパンに腫れているので洋服も着れないんですけど。
鍵も閉められないんですけど。
言われたことしかしない気の利かなさと
事の重大さを認識していない態度に腹が立ち、再び起こして手伝わせました。
アレルギーは死ぬこともあるってのに、息子の時の対応といい今回の対応といい、
どちらかがアナフィラキシーで死ぬまでわからないのかもしれません。
タクシーの清算時に財布を出しましたが小銭が持てませんでした。
指が細かく動かないのです。
ですのでカードで支払いました。
サインをするのも一苦労。
小学1年レベルの字になりました。
救急外来の手続きをして待合室でぐったりしながら待っていると、
看護士さんがやってきてまだらで膨らんでいるわたくしを見て驚いていました。
そしてコートを脱がしてくれました。
指が動かなくてボタンが外せないからです。
すぐさま抗ヒスタミン剤とステロイドの点滴です。
これを打っている間に問診です。
3人の若い医師に診てもらったのですが、
今日食べた夕飯の話と5年ほど前に海老を食べて蕁麻疹が出たこと、
ここ3年くらいは海老を食べても症状がなかったことを伝えました。
すると1人の医師が
「じゃあ今日はあえて海老を食べちゃったって感じですかあ?」
と言ってきました。
うわー。問診なのに何だか若者っぽいわー。
しばらく点滴を打っても腫れが引かず、息苦しさも変わりがないので、
「これは重症です。入院の適応です。3日間は入院してください」
とこの日が土曜日なので、月曜日まで入院を宣告されました。
実は月曜日は有休を取っておりました。
それなのにこれが入院に使われるなんて。
初めての有休を取っていたのはこの入院のためじゃないのに!
仕事に支障をきたすことはないのですが、
タイミングが良いのか悪いのかわたくしの貴重な有休がー。
とりあえず夫に電話をし入院を伝えます。
出産以外で人生初入院です。
車椅子で点滴台と共に病棟へ運ばれました。
個室風の4人部屋に通され、心電図、点滴をセットされます。
点滴が激しく液漏れしておりまして、
「あー、液漏れしてる。先生気づかないのかしら。全く」
とブツブツ言いながら看護士さん達がてきぱきとセットし直してくれます。
点滴のせいか、それとも睡眠不足のせいか。
自然と眠りにつきました。
朝、先生に起こされ具合を聞かれました。
どうやら2時間寝ていたようです。
顔の赤味が消えていますし、手の腫れも大分改善しています。
喉が詰まっている感じも良くなってきています。
先生にそれを伝えると、このまま症状が改善されるなら、
今日中に退院しても良いし、明日まで様子を見てもいいとのこと。
安心しました。
身体が楽になってきたので、朝食を軽く食べ、
テーブルに置かれた入院案内を見ましたら、
飲んでいる牛乳を噴出しそうになりました。
『救命救急センターの当病棟は特定入院料の加算があるからそれも含めて
 1日当たり約98,000円(3割負担で33,000円)かかりまっせ』
みたいなことが書かれているではありませんか。
ぎゃー。
1日33,000円ってどこの高級ホテルですか。
明日まで入院したら更に倍。
これで一気に赤味も引いたと思います。
まだ浮腫んだ手をしながらも次の回診時に先生に
「夕方退院します!」
と元気よく伝えたのは言うまでもありません。
そんな感じで短時間で無事退院しました。
救命救急病棟に入院するとこんなにお金がかかるもんだとは知りませんでした。
たしかに周囲は重病っぽい方がちらほら。
帰宅後自分の加入保険で保険金が降りるか調べましたが、
入院5日目以降からの適応でした。
特定入院料とダブルで凹みました。
今回は身体的にも金銭的にも恐ろしいアレルギーでの入院となりました。
皆様も生命保険の見直しをオススメいたします。