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2007年03月23日

密告

新潟でのお話です。
姉の家ではゲーム禁止令が発動中です。
プレステ、ゲームキューブがあるのですが、
全て禁止です。
以前は子供達も時間を決めてやっていたそうなのですが、
時間を守らずいつまでもやっているということが度々重なり、
ついにゲーム禁止になりました。
ゲーム大好きな子供達は、ゲームができず悶々とした日々を送っていましたが、
そこへDS持参でわたくしが来たものだから、さあ大変。
毎日毎日、
「マリー。マリオしてー。マリオしてー」
と名前なんだかゲームなんだかわからないくらい、
マリマリマリマリうるさいわけです。
しかし人に見られながらのプレイは苦手なわたくしは、
子供達の前でやることはさけていました。
ある日、わたくしは台所でこっそりニュー・スーパーマリオブラザーズをやっておりました。
一度ハマるととことんやり込む性分でして、
おかげさまで2日でクリアーし、
今度は各ステージに隠されているスターコインと、
隠しゴールを全て見つける作業に入っておりました。
必死にキラーをジャンプでかわしていると、
甥っ子に見つかってしまいました。
「あ!マリオやってる!ずるい!!」
当然の非難の言動です。
これはまずいと思い、すぐさまセーブをしてDSを片付けました。
その夜のことです。
甥っ子が言いました。
「ママー。今日マリが台所でこっそりマリオやってたんだよ。
 僕の目の前で。僕できないのに」
その言葉に触発されて、姪っ子が言いました。
「私もこの前見たよ。マリがトイレからDS持って出てくるところ。
 マリ、トイレで麻雀してた」
何ということでしょう。
人目に触れぬよう、こっそり気をつけていたはずが、
ことごとくチェックされていたのです。
「この局和がったら出よう」とか言ってる場合じゃありませんでした。
先だっては姪っ子に、
「マリって大人気ない」
と言われ爆笑しつつも心の中を空っ風が吹いていたことも相まって、
ただただちんまりとしておりました。
子供達に密告されたわたくしは、当然の如く姉に怒られました。
中世の魔女になった気分です。

2007年03月22日

偽札騒動

ある日、洗濯物を干していたら一枚の紙がひらりと落ちました。
1000円札でした。
わたくしは日本ではポケットに直接お金を突っ込むことはしませんし、
ましてや皺になりやすいお札を入れることはありえません。
それではなぜお札が洗濯されたのでしょうか。
記憶を遡ると、息子が財布で遊んでいた光景が浮かび上がりました。
そういえばあの時1000円札も出していたような気がします。
そして靴下や洋服を片っ端から洗濯機に放り込む技術も習得して、
畳んだばかりの洋服を投げ込まれるという事件もしばしば発生しておりました。
おそらく犯人は息子です。
それでも破れたわけではないので、
他の洗濯物と一緒に洗濯バサミで留めて乾燥させました。
乾いたお札を手に取ると、ガサガサと手触りが悪くなっていました。
日本のお札のすべすべ感が全くなくなり、ドル紙幣のような手触りです。
陶器肌の女性がサハラ砂漠で1週間サバイバル生活したかのような手触りです。
柔軟剤の一つでも入れておけば、
CMのようにふんわりなめらかになったのかもしれませんが、
後の祭りです。
それでもどこも破れてはおらず、印刷が落ちるわけでもなく、
日本の造幣局の技術ってすげーと感心したのでした。
そしてすっかりごわごわになったお札を財布に入れました。
後日、さらに追い討ちをかけるような出来事がありました。
洗濯物を干そうと洗濯機の中に手を入れたら、また出てきました。
1000円札が。
前回の1000円札洗濯事件以来、息子には財布を触らせていないはずなのに、
またしても洗濯機に入っているとはどういうことでしょう。
記憶を遡ると、息子が財布で遊んでいた時、
2000円が畳の上に落ちていました。
ということは息子は洗濯機に2000円放り込み、
1000円札は洗濯槽に張り付いていたため、
前回取り損ねたと思われます。
つまりこのお札は2回も丹念に合計80分洗濯されたということです。
そんな台風とハリケーンと竜巻が一度にやってくるような洗濯機の中で
もみくちゃにされたにも係わらず、どこも破れていません。
しかし通常のお札と決定的に違う箇所がありました。
お札が縮んでいたのです。
何か野口英世先生の顔が小さいような気がして、
通常のお札と見比べたら、
明らかに大きさが違うではありませんか。
bill01.jpg
若干短め
bill02.jpg
小さくなりました
手触りは安っぽい、大きさも小さいとくれば、
お札を触り続けて数十年のスーパーのレジの方に、
偽札と疑われても仕方がありません。
良くて突き返されるか、悪ければこの前お世話になった警察に連行されかねません。
しかもその刑事さんが、井戸端会議に出席していた刑事さんだったりしたらどうしましょう。
「この前は『夫が帰ってこない』なんて殊勝なこと言ってたけど、
 奥さんもやることやってるねえ。
 ネパール行きってのもコレ絡み?ん?」
こんなこと言われかねません。
それだけは避けなくては。
とりあえず対人販売ではない、
JRや地下鉄の切符から試してみようと思います。
それでも無理なら、銀行で変えてもらうつもりです。

2007年03月20日

ショックな出来事

「あき・ママ・あき・まま」
息子が何かを片手に持ちながら、
わたくしと姉の名前をリズミカルに呼びつつこちらに歩いてきました。
それがこの切抜きです。
sumo01.jpg
帰っちゃいや
朝青龍と時天空の取り組みの写真なんですが、
帰ろうとする朝青龍に「帰らないで」とすがっているように見える
いじらしいモンゴリアン2ショットだったので、
新聞から切り抜いて保存しておいたものです。
たまたまこの切抜きを手に名前を連呼していただけなのか、
それとも両力士をわたくしと姉に見立てたのか。
息子の言語はまだ解明されていないので、
真相究明にはもう少し時間がかかります。
ちなみにわたくしと姉は現在、人生最大の目方を記録しております。

2007年03月19日

モルドナー効果

姉の家である雑誌の裏表紙に見入っておりました。
それは『モルドナーのおかげで宝くじで3億大当たり!』という開運グッズの広告です。
クロスワードやナンプレ雑誌の広告でよく見かけるこの手の商品ですが、
暇潰しに隅から隅まで目を通して見ました。
この手の商品の体験談というものは、
会社をクビ

彼氏にふられる

交通事故を起こし借金を背負う

開運グッズ購入

超ハンサムな大金持ちから求婚

車はベンツをゲット(ベンツの前で彼と2ショット)

ハネムーンはヨーロッパ豪遊

開運グッズのおかげです!最高!
という大変わかりやすいどん底から上流階級へのステップアップが
全体のストーリーとしてできています。
わたくしの読んでいた『モルドナー』なる商品も、
同じような体験談が写真付きで載っていました。
宝くじで3億当たったという体験談なので、
札束の山の前で撮影という写真付きです。
このモルドナーの効果について、
聞いたこともない研究所のなんちゃらという肩書きの職員が解説しておりまして、
それによりますと、宇宙の波動で金運をモルドナーに引き寄せるというような
アレなことが書かれておりました。
モルドナーには3種類ありまして、
1番安いモルドナーは1億が当たる効果があり、
次に安いものが2億、
3億が欲しければ迷わず最上級モルドナーを買うようにと誘導してありました。
そんなモルドナーを熟読しているわたくしの横で、
姉家族が何やら揉めております。
逆さにすると回しづらい独楽がありまして、
それを回せる、いや回せないの言い争いが
姉VS姉夫&子供達で勃発していたのです。
姉が言いました。
「じゃあ逆さで回せたら500円やる!
 少し回るくらいじゃ駄目だよ。ちゃんと回り続けないと」
その言葉を合図に、姉の夫と子供達が無我夢中に独楽を回し始めました。
お金がかかると意気込みも違うようで、
一心不乱に独楽回しに挑戦しています。
しかし家族の検討も空しく独楽は一向に回りません。
わたくしも何度かこの独楽を逆さに回したことがあるのですが、
一度も成功した例がありませんでした。
どうせできないだろうと思いながら、
わたくしの目の前に転がってきた独楽をひょいと摘まみ、
逆さにして指で回転させました。
するとどうでしょう。
独楽が回っているではありませんか。
「ママー!!マリが回したよー!!!!」
「えー!うわっ!すげー!」
まさか回るとは思わず成功してしまったわたくしが驚くのは当然なのですが、
500円を払うことになるとは思っていなかった姉の驚きは、
わたくしを遥かに上回るものだったと想像に難くありません。
「さすが金がかかってると違うよね」
500円を頂く時に頂戴した捨て台詞です。
そこまで意気込んでやったわけではなく、
無の境地でさらっと指を弾いたら回ったのですが、
そういう無心が成功に繋がったのかもしれません。
そして500円を貰ってわたくしは考えました。
先程読んでいたらモルドナーは、
1ヶ月で3億を引き寄せる力を秘めていると書かれていました。
1ヶ月=31日として1日に換算すると9,677,419円。
1時間当たりでは403,225円。
1分当たりでは6720円。
1秒当たりでは112円のご利益になります。
先程回した独楽は、姉曰く10秒は回っていなかったというので、
6,7秒だとしても784円のご利益があるという計算です。
ということは少々額は少ないですが、
500円を貰えたことも、これはまさしくモルドナー効果ではないでしょうか。
読んだだけでも効果があるモルドナー。恐るべし。

2007年03月18日

個人情報保護法の壁

今日は本当に疲れた一日でした。
ほぼ気疲れなんですが、
こんなにハラハラドキドキしたのは久しぶりです。
今日は夫の帰国日でした。
バンコク経由でカトマンズから7時半に成田に到着する予定だったので、
自宅に帰ってくる時間を見計らって、
遅くとも11時には帰ってくるだろうとご飯を作って待っていました。
11時、帰ってきません。
12時、帰ってきません。
15時になっても帰ってきません。
成田空港のHPを見たら、搭乗した便は30分早く到着していますし、
京成線も通常通りの運行です。
「これから帰る」と言って世田谷から4時間後に帰宅したことのある夫ですが、
さすがに遅すぎると思い、
搭乗予定便の某航空会社に電話をしました。
到着しているはずの夫が帰ってこないので、
搭乗したかどうか調べてもらえないかと尋ねてみました。
以下その会話です。
「国土交通省からの通達により、個人情報保護法に触れますので、
 搭乗者名簿は非公開になっています」
「え。それで終わりですか?じゃあ家族から安否を気遣う
 同じような問い合わせがきたら、どうしているんですか?」
「先程も申し上げましたとおりですので、お教えすることはできません。
 どうしてもと仰るなら警察を通していただかないと・・・」
「それではカトマンズ発バンコク行きの○○便が予定通り飛んだか確かめて貰えますか?」
「はい。それでしたら大丈夫です。○○便は予定通り17日にバンコクに到着しております」
というように、夫が搭乗したのかどうか教えてもらえませんでした。
そういえば、5年に一度卒業生の名簿を作る母校の校友会から葉書が来て、
「個人情報保護法制定により名簿を作るのはやめました」
と書いてあったことを思い出しました。
名簿もだめ。
搭乗者も教えられない。
この法律のおかげで、隠す必要のないものまで隠す羽目になるんだったら、
もういっそのこと表札とか名刺とか顔とか、
自分の存在そのものにモザイクかけちまえ。
・・・とか言ってたのは絶望先生だったかしら。
文句を言っても始まらないので、
カトマンズ在住の友人に連絡を取ってみました。
彼らと夫は、先週カトマンズで会っており、
帰国前にもう一度会う約束をしているとメールに書いてあったからです。
その友人からメールが来ました。
「13か14日に電話が来てから連絡が途絶えてます。
 18日頃に来ると言ってたので、昨日も一日中待っていたんですが。
 今日も連絡ありません」
要約するとこのような内容でした。
このメールの中でおかしな点があります。
18日頃にカトマンズの友人宅に行くという約束をしているところです。
わたくしの手元にある予定表には、
『17日にカトマンズ→バンコク→18日成田』
となっております。
予定変更することもあり得るのですが、
それならそれでメールが来るはずです。
これは由々しき事態になっているのかと思い、
警察へ行って相談することにしました。
日曜日の夕方の警察。
来訪者はわたくし以外いませんでした。
受付で事情を説明すると、
4,5人が井戸端会議を始めました。
以下、掻い摘んだ会話の一部とわたくしの心の叫びです。
「成田空港の航空会社窓口で直接問い合わせないとかなあ。
 それでも確実に教えてくれるっていう保証はないけどね」
(子連れで成田往復が無駄足は嫌です)
「入国管理局に聞いてみるってのはどう?」
(そもそも入国できるなら搭乗してるわけで)
「成田の航空会社が駄目なら、ネパールの航空会社に電話してみましたか?」
(警察を通せば教えてもらえるなら、そっちがいいです)
「ネパールにいる友人に日本大使館に行ってもらうのはできる?」
(それをする前に搭乗したかどうか、
 予約変更したならその日付がわかれば済むわけで)
「ネパールからの連絡ってメールですよね?
 そもそも日本を出国した証拠ってあるんですか?」
(それを言われたら元も子もないんですが)
「『警察ですが教えてください』って言って、
 『はいどうぞ』ってわけにはいかないんだよね」
(そうなんですか。じゃあどうすればいいのでしょうか)
あれこれ言われてここでたらい回しにされるのがオチかと思ったら、
段々悲しくなってきまして、
それに加えて、夫にもしものことがあったらどうしようという考えが
頭の中をぐるぐる旋回し始めたら、涙が溢れてきました。
近頃ドライアイがひどくて困っているというのに、
こういう時ばかり瞳が潤って困ります。
息子も退屈してきて外へ行こうとするので、
署内で売っていた100円自販機へ行き、
BOSSを与えたら大人しくなりました。
そんな子連れの女の姿を哀れに思ってくれたのか、
「情報保護法もクソもないよな。こんなの。
 家族が乗ってるかどうか聞くだけなのに」
「過剰に反応しすぎなんですよ」
「ほんと、頭に来るなー」
と空港の某航空会社に掛け合ってくれることになりました。
電話の内容はわたくしが話したとおりのことを伝えてくれまして、
文書で照会依頼を送ってくれればOKというところまで漕ぎ着けました。
あとは上役の方に事情を説明し、
帰国便や夫の話を調書のようなものにまとめ、
問い合わせの結果が来たら電話で教えてくれることになりました。
警察署の皆様どうもありがとうございました。
2時間後。
警察から電話が来ました。
「結果を申しますと、21日帰国の便に変更しているそうです。
 20日に現地を発って21日の同便で帰国だそうです。
 安心してください」
喉のつかえが下りていくのがわかりました。
安堵という言葉がぴったりです。
と同時に怒りの炎が燃え上がってきました。
メギドの火となってネパールにいる夫に降りかかりそうなくらいの威力を感じます。
ネパールがソドムとゴモラになってしまいそうです。
20分後、携帯にメールが来ました。
夫からでした。
要約すると、ポカラは毎日停電でメールができず、
悪天候でカトマンズ行きの飛行機にも乗れず、
今日ようやくカトマンズに着いたから安心しろみたいなメールでした。
そういう事情なら仕方がありません。
頭ごなしに怒っても仕方がないので、
今日一日の流れをメール上でおさらいし、
かわいいスカートかパンジャビドレスかサリーのいずれかと、
HARNNのジャスミンシャンプー&コンディショナーを所望してみました。
21日にお土産と一緒に帰国するのを待つことにします。
騒動の途中、姉とメールのやり取りをしていました。
「何かあったら東京に飛んでいくから」
という心強い言葉を貰ったのですが、
帰国日を変更した可能性が出てきたら、
「本人が連絡よこさないなんて怠慢だ。ところで今日の夕飯は肉団子です」
みたいなメールが来ました。
それにしても今日は疲れました。
おやすみなさい。

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