« | »

2010年08月09日

昆虫は食べ物です

※今回は昆虫を食べるお話です。
 好みの方には美味そうな食べ物画像、
 嫌いな方にはグロ画像になると思いますのでご注意ください。
当過疎ブログでも異例の反応があったセミ会に参加してまいりました。
出発前に100円ショップに虫かごと虫捕り網の在庫確認をしたのですが、
買いに行くと虫捕り網は売り切れていました
集合場所近くの100円ショップでも売り切れ。
今日はみんなセミ捕りのために買い占めたのかしら。
さて集合場所に向かうべく電車に乗ると、
隣の席の女性が網らしき物を2本持っていました。
息子と「あれ虫捕り網じゃね?」と囁き合いながら、電車を降りると、
ホームには虫捕り網を持った大人がたくさんいました。
8月7日17時頃、平和島駅に降り立った方々は、
妙な光景を目撃したことと思われます。
集合場所では、電車で隣に座っていた女性が受付嬢でした。
やはりあれは虫捕り網でした。
皆様準備がよろしいようで虫捕り網を持っている方が多く、
この時点で、息子は「網がない網がない」とブツブツ文句を言っていましたが、
その後の採集時には、網がなくとも捕りまくる母に感動していたようです。
人数が集まった所で参加者は採集場所に移動します。
この日の参加者は定員40人を大きくオーバーした約60名。
回を重ねる毎に参加者が増えているそうです。
目的地へ移動中も、街路樹に止まっていたセミを捕る参加者の方。
目的地の公園へ到着すると、
凄まじいセミの鳴き声を聞くや否や捕獲が始まりました。
皆さん、気合が違います。
一旦集合してから、主催者の内山さんからの説明を受けたあと、
各自セミ保存用のジップロックをもらい、本番開始です。
比較的低木が多いこの公園、
網がないわたくしでも容易にセミを捕まえることができました。
ジップロックの口を丸く開いておいて、後ろからセミにかぶせて捕まえる方法です。
これで13匹捕まえました。
セミの泣き声がうるさい時は、発声場所である腹部にぽこっと穴を開けると、
泣き声はしなくなるというポイントを教えていただいたので、
1匹だけ試しました。
semi01.jpg
捕獲したセミは虫かごへ
semi02.jpg
アブラゼミに紛れて
semi03.jpg
ミンミンゼミもいるのです
semi04.jpg
参加者が捕獲したセミは洗濯ネットに回収されます
semi05.jpg
これは何でしょう
上記の白い昆虫は蛾でした。
「見たことのない昆虫が2匹止まってる!」
と息子が興奮しながら見つけまして、
セミ会の常連の方にこれは何かと尋ねましたら、
蛾だと教えていただきました。
蛾は毒を持つものもいるため、
種類がわからないようなら触らないようにとアドバイスをいただきました。
それからセミ捕り作業に戻り、ふと蛾のいた木に目をやると、
もうそこには蛾はいませんでした。
しかし、その後この蛾に再びお目にかかるとは、
この時は思ってもみませんでした。
セミの成虫を捕獲&回収したあとは、
日没前後に土中から出てくるセミの幼虫を捕獲します。
幼虫ですので、息子でも捕らえやすいだろうと思い、
「捕らないと今日の晩飯ないよ!」
と息子にはっぱをかけてみましたが、
成虫とうってかわって1匹しか捕まえられず。
捕まえた人は数十匹捕まえているのですが。
持参したのがすんごい暗い懐中電灯ってのも失敗の原因でした。
ということで代わりに捕まえたこちらの画像をどうぞ。

semi06.jpg
絵になる表情のイケカエ(イケてるカエルの意)
semi07.jpg
とある参加者の方が取ってくださいました。でかっ。
カエルは今回の趣向とはまた違いますので、
食すことなくキャッチ&リリースしました。
semi08.jpg
膝の上で羽化し始めちゃった幼虫
幼虫も回収し、この後は調理場へと移動します。
さあ、ここからが調理風景と実食風景になります。
鶏を屠った時は、画像をクリックすると拡大するようにしましたが、
今回はそのままでいきます。
見たくない方は引き返してください。
では。









semi10.jpg
茹で上がったセミの幼虫を
semi09.jpg
衣につけて
semi11.jpg
カラリと揚げます
semi12.jpg
セミの幼虫フライ
semi13.jpg
いただきまーす
セミの幼虫は昆虫の中でもかなり美味しいとの説明を受けて
パクッといただきましたが、確かに美味しいです。
サクサクの衣に包まれた身は、具が詰まっていました。
海老フライみたいです。
何も知らずに食べたら丸っこい海老と思うかもしれません。
これはビールが進みます。
semi14.jpg
コガネムシの素揚げ
semi15.jpg
スナック風
フライのような衣がない分、姿形がそのまんまの直球勝負ですので、
見た目で無理という方にはハードルが高いかもしれません。
ですが、何事も見た目で判断してはいけません。
「人間、外見がイマイチでも中身が大事なんだ」と、
常々姪っ子に言い聞かせていますので、
それを実証すべく、対象を昆虫に変更して挑戦しました。
いけます。
セミの幼虫のフライよりも固めの触感。
これは外見が昆虫というスナックです。
semi16.jpg
お次は蚕さなぎの燻製
semi17.jpg
セミの幼虫の燻製と共に
semi18.jpg
いただきます
semi19.jpg
やはり具がつまっています
燻製好きにはたまらない2種の燻製盛り合わせ。
セミの幼虫はすでにフライで美味さを実感していましたが、
燻製もたまりません。
蚕は中からじゅわっと汁があふれてきて、
まるでソーセージの肉汁のようです。
燻製の香りが食欲をそそります。
ビールが進むおつまみばかりで危険です。
聞いた話によりますと、以前生の蚕を食べた方がいらっしゃったそうで、
その方はてきめんにアレルギー症状が出たそうです。
加熱は大事だということですので、
昆虫を食べる際には、豚肉並みにしっかりと火を通しましょう。
semi20.jpg
湯通ししたセミの成虫。これを揚げます
semi31.jpg
ほら。セミです
semi21.jpg
素揚げにしたセミのお尻にチリソースを注入する図
このチリソースのセミが実にいいお味でした。
塩コショウ味ばかりでは少々飽きてきて味の変化を求めていたところ、
このチリソースはヒットでした。

セミの成虫フライはマヨネーズとケチャップとの相性も◎
ここからは少々グロさがアップします。
semi23.jpg
ジャイアントミールワーム
semi24.jpg
リアルなフェノミナ体験
ミールワームはただのミミズのようなものではなく、
しっかりとした足が付いており、
手の平に乗せるとがっちりと足で挟み込まれ、なかなか落ちません。
この大量のミールワームがトレーにいる様はあまりに気持ち悪いので、
ジェニファー・コネリーになりきったつもりで
おもわず携帯でも撮影してしまいました。
ホタルイカ画像に続いて、待ち受けにする予定です。
semi25.jpg
炒めます
semi26.jpg
こちらは茹でバージョン。炒めたそばに乗せて更に炒めます
semi27.jpg
虫ミックス焼きそばの完成です
semi28.jpg
いただきます
これまた香ばしい濃厚なお味です。
特にミールワーム。
タイで食べた芋虫っぽいものの唐揚げってこれの類だったのかしら。
焼きそばに混ぜてあると、麺に紛れて見えるので、
苦手な方もいけると思います。
ミールワームのバター炒めなんてすごく美味しい気がします。
塩バター味と醤油バター味の二本立てで。
ビールが進む素晴らしいつまみになる予感。
semi29.jpg
おや。この蛾はどこかで会った気が
蛾を教えてくれた常連さんと、蚕をつまみながらお話ししていると、
その蛾を内山さんが捕まえていたことがわかりました。
わたくしから蛾が2匹いると聞いた常連さんが、
その話を内山さんにしたところ、
「それどこですか?」
と言って、息子さんと2人で捕まえに行ったそうです。
わたくしと息子がその木に戻ってきたら蛾がいなかったのは、
捕獲された後だったというオチでした。
「雄雌のつがいなんで卵を産むかもしれないなあ」
当然食べる予定の内山さんがぽつりと呟いていたのが印象的でした。
内山さんは長野出身だそうでして、
子供時代に虫を食べる機会があったとのこと。
そして大人になってから昆虫を食べる機会が再び訪れ、
どうせならもっと色々な昆虫を料理をしてみたら美味しいのではと思い、
昆虫料理の活動を始めたのだそうです。(合っているかしら・・・)
内山さんに参加申し込みメールをした時、
5歳の子供を連れて行ってもいいか問い合わせたところ、
「子供さん大歓迎です。昆虫食の明日を担う人材ですから」
という感激の返信が来ました。
元々、息子もわたくしも昆虫を捕まえることには好きで、
夏恒例のカナブン捕りもしています。
ですので、捕獲という行為からステップアップして、
調理して食べるというイベントにさほど抵抗はありませんでした。
そこに子供歓迎との返信が来たものですから、
ひゃっほうひゃっほうと小躍りしたのでした。
息子はアレルギーの問題もあるので、
今回昆虫を口にすることはありませんでしたが、
海老の殻アレルギーのわたくしは、
アレロックを持参でパクパク食べていました。
そのことも内山さんに話すと、
昆虫はアレルギーもそうだし寄生虫の問題もあるので、
加熱は必須とのことでした。
心配していた蕁麻疹でしたが、出ませんでした。
昆虫は大丈夫なようです。
結論:昆虫は美味しい食べ物です。
先月、川海老の唐揚げを食べたらあっさり蕁麻疹が出たことを考えると、
川海老風味のセミの幼虫なら蕁麻疹が出ないし、
海老の味も楽しめるので、これからはセミを食えってことなんだと思います。
ということで、これから飲み屋ではセミの幼虫の唐揚げを注文しようと思いますので、
バーの経営者の方々は、是非ともセミの幼虫を仕入れてください。
よろしくお願いします。
今回のセミ会のような季節のイベントもあれば、
月1で阿佐ヶ谷でも昆虫料理イベントを開催しているそうなので、
今回のネタを読んで興味をもたれた方は、
そちらもどうぞ。
「秋にはバッタ会もありますので・・・」
と誘っていただいたので、また秋に息子と一緒に参加しようと思います。
最後に。
こちらで口直しをどうぞ。
semi30.jpg
幼虫を頭に乗っけられて嬉しそうな息子
参加者の方々が息子と遊んでくださったので、
息子もずっと興奮して走り回っていました。
じっとしていることなく走り回る様子を見て、
どなたかが「虫みたい」と仰っていました。
そんな息子と遊んでくださった方の中に、
デイリーポータルZのほそいあやさんがいたような気がするのですが、
顔を覚えられないわたくしは自信がありません。
ustreamでもライブ配信中だったこの調理場面。
息子もちらっと映っていたようです。
残念ながら現在は見れませんので、
こちらでお楽しみください。

トラックバックURL

コメント&トラックバック

まったくもって読者を選ぶ(読者が選ぶ、ではなく)ブログだなぁ。ワハハ。
写メ、ありがとうございます!
涼感を得られました。
系統樹で見ると↓
http://www.biological-j.net/blog/2007/11/000343.html
同じ節足動物だから、味が似てるのかも知れませんね。

ミールワームって
何の幼虫?
セミ(成虫)は
空洞だから
中に充填可能なんだね。
身の詰まった
幼虫が食べ応えあるのも
頷けますが
やっぱり
口に入れたくはありません。
あの画像は
あなたの口から
幼虫が産まれ出たように見えます。

とうとう食してしまったのですね・・・
会社で虫喰う会に誘われたが
スケ調難しくお断りした 残念・・・の話をさんざんしましたが
おめー 暑さにやられたのか?てな顔で
スルーされまくりでした・・・
もし大災害とかあって、私について行かなきゃ死ぬてな
状況になっても、奴らには羽のかけらすらくれてやらぬと
誓いました
次は是非参加で

>junkita
昆虫もエビカニも一緒です。
内山さんの最新ブログの昆虫食はアシダカグモでして、
お味はカニと似ているそうです。
やっぱり。
>姉
つ http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9F%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%A0
御主人の酒のつまみに出してみてください。
喜ばないと思います。
>micyarn
昼休み、職場の方にブログの写真を見せて差し上げてください。
その後、ラーメン(麺系ならOK)でも誘ってみてください。
バッタ会、参加しましょう。

渾身のレポート、楽しませていただきました♪
チリソースをセミの尻から注入する図には度肝を抜かれました。
昆虫食は、見た目のキモささえクリアできれば、いけそうですよね。
ぜひ参加してみたいですが、次回はバッタ会ですか……。
昔、イナゴが大量に発生した畑に迷い込んだことがあり、イナゴと目が合って以来、あの顔がダメなんですよね~;
アシダカグモも食べられるんですねえ。
ゴキブリ対策にいいらしいとは聞いていましたが…。

あ~あ、ほんとに参加できなくて残念・・・。
バッタよりセミが良かったなあ。

>野ぎく
チリソース注入は腹にぶっ刺してもいいのですが、
ヴィジュアル的には尻穴から注入の方が絵になりますね。
素揚げで食べずに、今回のようにフライや天ぷらにすると、
衣に顔が隠れていいと思います。
ゴキブリ対策のためにアシダカグモを飼うのは躊躇していましたが、
カニ味ということがわかった今かなり前向きです。
でも蜘蛛の巣が張った家も嫌ですね。
>ユリキチ
来年のセミの美味しい季節にお会いしましょう。

コメントを残す